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統合失調症患者の家族の病気受容に関するSCAT(Step for Coding and Theorization)による分析
| Content Provider | Semantic Scholar |
|---|---|
| Author | 德子, 宮﨑 典子, 萩原 信行, 大西 児屋野, 仁美 |
| Copyright Year | 2016 |
| Abstract | 本誌の読者の多くを占める量的で実証的な研究者にとっ て,「研究」とは,「対象を測定して数値的データを得,それ を統計的手法等で分析して結論を得ること」と言えるだろう. それに対して「質的研究」とは,主として観察やインタ ビューによって言語記録(「質的データ」と呼ぶ)を作成し, それを分析して結論を得る研究である.このとき,観察や面 接(聴き取り)はデータ採取の方法であり,量的研究の用語 では「測定」である.測定によって得られたデータを分析す るのであるから,これは量的研究とまったく同じ経験科学的 (empirical)研究である.「だったら量的研究者にも簡単に行 えるはずだ.」そう言われたら読者は,きっとこう言うだろ う.「測定,つまりデータ採取はできる.たとえば面接調査 なら,それを録音して文字起こしをすれば言語データを得る ことができるから.問題は,それをどう分析するかだ.その ための手法はあるのか?」実際,量的データを分析するため の統計的手法に相当するような定式的な分析手続きが,言語 データの分析のためにも用意されているのだろうか? これに対する答えは,NoでありYesである.Noと書い たのは,質的研究では,量的研究における統計的手法ほど 包括的かつ一般的な,データ分析のための定式的手続きは, 存在しないからである.そしてYes と書いたのは,それで もそのような手法はいくつか開発され,用いられているか らである. Glaser & Strauss(1967)の「グラウンデッドセオリー」は, そのような手法のうち最も広範に使われる手法である.これ は分析手続きだけでなく,データ採取から理論化までの研究 デザイン全体を規定するフレームワークであり,あらゆる領 域で世界的に用いられる優れた手法である.これを習得し, この手法に従って研究を実施すれば,方法の点で一定に適切 な研究が実施できる可能性がある.しかしながら,この手法 が適用できるのは,比較的大規模のデータの採取と長い研究 期間を要する大がかりな研究であって,ごく小規模のデータ やすでに採取した手持ちのデータには適用できない. また,この手法を含む質的研究の多くの手法では,分析の 際に,データにキーワードのようなコード(code)を付し ていく.そしてその際には,量的研究で採用されるような, あらかじめ決められたコード群から付すテンプレート・コー ディングではなく,テクストを読みながらコードを案出して 付していくジェネラティブ・コーディングが採用される.そ のためそのコードがうまく思いつかないと悩む初学者が多 い.また,付したコードから理論化を行うのはさらに難しい 手続きであるため,コードから上手く結論が導けないと悩む 初学者が多い.そこで開発されたのが,SCAT(スキャット) である. |
| Starting Page | 13 |
| Ending Page | 21 |
| Page Count | 9 |
| File Format | PDF HTM / HTML |
| Volume Number | 9 |
| Alternate Webpage(s) | https://nagoya.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&attribute_id=17&file_no=1&item_id=13180&item_no=1 |
| Language | English |
| Access Restriction | Open |
| Content Type | Text |
| Resource Type | Article |